自分の下駄箱。
その中に、あるはずの、靴。
通学用の、ローファー。
 
がらんとした、その靴箱の中を覗きこむ。やっぱり、無い。
 
探そうとしてみる。
でも、見当がつかない。
 
下駄箱の周り・・・無い。
 
誰かが間違えて履いて行ったの?
 
でも、一昨日まで、上履きを隠され続けた、私。
嫌になって、昨日は新調したばかりの上履きを、カバンにしまって持ち帰った。
 
そしたら、今度は、ローファー。
 
体育用の靴も、学校内には無い。
 
私にあるのは、今はいている、この上履きだけ。
まだ、真新しい、学年と名前がはっきり書かれた、バレーシューズ。
 
この靴で、帰りたくない。
 
「上履き」であることが、他の人からわかってしまう。
 
親にも、まだいじめられてるって、言ってない。
だけど、上履きのまま家に帰ったら、気づかれてしまう。
 
時間ばかりが過ぎていく。もう、外は暗くなっていた。
 
上履きのまま、歩き出す。
 
学校の正門を後にして、「上履き」を履いていることを、どうしても意識し始める。
 
誰も、私のことを見ないで。
靴、どうしたの?
それ学校の上履きじゃない?
 
そんな目で見ないで!
 
嫌、いや、イヤ!