放課後。特別教室。
ここは今、かなえのイジメルームになっていた。

教室の隅に、女子が二人と、その友達である男子がひとり、かなえを取り囲んでいる。
かなえは、体育座りのような恰好で座っていた。

その目の前にあるものは、バケツ。

掃除用のバケツを前に、かなえはただ、何回も首を横に振っていた。

「ほら、早くしなよ!」
「ほら、しちゃいなよ! 楽になれるよ!」
「ちゃんと、見ててあげるから、かなえちゃん」

かなえは、追いつめられていた。

バケツは、屈辱的な「入れ物」だった。
そのバケツに、みんなの見ている前で、用を足すこと。
それが、いじめられっこからの「指令」。

かなえは、その日の二時間目、梨花に上履きの場所を教えられ、女子トイレで普通に用を足してから、一度もトイレに行っていない。
いや、「行かせてもらえていない」のだった。

かなえは、昼休みの時間にはもう、トイレを催していた。

今は、午後三時五十分。ゆうに二時間半以上経過している。

掃除の時間中も、ずっと「バケツトイレ」を強要されていた。
かなえはもちろん拒否し、普通にトイレに行かせてもらうよう訴えていた。

同じ班のいじめっ子たちは、それで掃除が終わるのが遅くなることを理由に、トイレに行かせなかった。
かなえは、もうその時点で、掃除をするどころではなかった。

立っているのがやっと。かといって落ち着いて座っていることもできず、モジモジと足を交互にくねらせて、必死で我慢していた。

その状態からさらに十分が経過しようとしていた。

かなえは、もう顔面蒼白で、座ったまま細かく足を震えさせながら我慢していた。

「ほら、早くおしっこ出しちゃいなよ」

そういって、女子二人がかりで、かなえの両手を引っ張り、無理やり立たせた。

「やめてー」

かなえの、悲鳴のような声は、誰にも届かない。

ここにいる三人は、それを面白がって、今まさに決壊しようとしているかなえの膀胱から、おしっこが漏れ出すのを、待っているだけだった。

「もう、漏れちゃう・・・だめ・・・あ、あっ」

次の瞬間、勢いよく、かなえの股間から黄色い液体があふれ出した。
床を濡らし、かなえのスカートを濡らし、太ももを伝って靴下や上履きを濡らしていく。

「あーあ、とうとう漏らしちゃったよ。こいつ。あはは」

男子はそういって、スマホのカメラで、動画でお漏らしシーンを撮影していた。
かなえは、しゃがみこんで少しでも撮影から逃れるのが精いっぱいの抵抗だった。