上履き、やっぱり探そう・・・

靴下のままじゃ、足の裏が冷たいし、やっぱり恥ずかしい。。。
ずっと、このまま席に座っているわけにもいかないし。

席を立ち、とりあえず教室の後ろにある掃除用具入れの扉を開ける。

ホウキやバケツ、雑巾などはあるが、私の上履きは無い。

扉を閉めて、視線の先にごみ箱を見つける。
ごみ箱。
その中にあったら、私の上履きは、ゴミということか。。。

ゴミ箱に近寄って、恐る恐る中を覗くと、そこに無造作に捨てられている一足の上履きを見つけた。

手に取ると、その上履きは甲の部分に「井上」という見慣れた字体で書かれていた。

私のだ・・・。
誰、ゴミ箱に捨てた人は?
こんなこと、しないで。

少しはたいて、床に置き、その上履きを履く。

その間、教室にいた周りの人たちは、私にまったくかかわりなく、友達同士でしゃべっていたり、本を読んだり、スマホを見ていたり。まるで私なんかいない存在のように。

寂しくて、泣き出したくなる気持ちを抑えながら、私は自分の席に戻って椅子に腰かけた。