2時間目が終わり、トイレに行って用を済ませ教室に戻ってきた私は、教室の後ろにある、自分用のロッカーの扉を開けた。

・・・嘘、でしょ・・・

そこに入っているはずの、体育館シューズが、袋ごと無くなっていた。

どうして・・・
どうして、無いの?

一昨日、体育の授業で使ったばかり。

これから、また体育の授業で使うのに・・・。

3時間目は体育だった。
今女子の体育は、体育館でバレーボールをすることになっていた。

どうしよう・・・

クラスのほかの女子は、ロッカーからジャージと体育館履きが入った袋を取り出して、更衣室に向かっていく。
それなのに、私は自分のロッカーの前で立ちすくんで動けない。
私だけ、取り残されてしまう。

同じ時間に男子も校庭で体育があり、更衣室に向かって教室を後にしたので、とうとう教室に私一人。

体育の先生から、上履きで体育の授業を受けるのは固く禁じられている。
授業を受けるなら、裸足になりなさい!
前に、体育館履きを忘れた子は、先生にそう怒鳴られて、渋々靴下を脱いで裸足を授業を受けていた。

私は、その光景を思い浮かべた後、職員室へと急いだ。

体育の先生に、「体調が悪いので、見学させてほしい」というために。

どうして、素直に、「誰かに体育館履き、盗まれました」って言えないんだろう。
何を、私は怖がっているのだろう。
そういう疑問が湧いてきても、それを打ち消して、先生に嘘をついて、見学にさせてもらった。

体育の授業が始まる。
私は体育館の隅っこで、体育座りで、みんなのバレーボールをしているところを見ていた。
またひとつ、寂しさが募った。