次の日の朝になった。
起きてご飯を食べて、身支度をして制服に着替える。
いつもの朝と何も変わらない。
「行ってきまーす」
お母さんにそう告げながら、ローファーを履き玄関の扉を開ける。いってらっしゃい、の声。お母さんが手を振り見送ってくれるのを確認して扉を閉めバス停に向かって歩き始めた。

いつもと変わらない。
自分でも不思議なくらい落ち着いていた。
昨日はあんなにドキドキしていたのに。

自分の下駄箱を開ける時まで、このままなのかな。その方がリアル感が出るのかな。

そう思った途端、「上履き」が私の頭の中を駆け巡った。

今日、上履き無いんだ。
靴下のままで、恥ずかしい。
どうしよう。

きっと友達やクラスメイト、先生にも迷惑をかける。
罪悪感に苛まれながらも、どこかで足下を見られる羞恥心や、床の冷たさを直に感じる惨めさ。
色んな感情が湧き出して、胸の鼓動が速くなってきた。

これが、興奮というものなのだろうか?

バス停に向かういつもの道、風景が、少しだけ違うように感じたのは、私だけ?